特集1 たべるーぷショップ三宿店のご紹介

食品ロス削減を掲げた1軒の店が食と人をつなぐ大きな架け橋に

食品ロスを削減したい売り手と良い食品を安く購入したい買い手とを繋げるマッチングサイトとして、2018年にスタートした『tabeloop(たべるーぷ)』。食品ロス削減を目指すその理念は、代表取締役の佐治祐二郎さんが新卒で入社した飲食業界向けコンサルティング会社での経験から端を発します。

賞味期限まで日数がまだ十分ある食品が大量に廃棄されていく一方で、多くの顧客は食材費の高騰に悩まされるという現実を目の当たりにした佐治さんは、食の問題を解決したいという思いを強くしていきました。そして2010年、飲食店のWEBマーケティング支援などを行うバリュード
ライバーズ株式会社を創業。2014年には賞味期限が近いお菓子を安価で提供するサービス、『SWEETS POCKET』をスタートさせたのです。当初はあまり評価されませんでしたが、2015年のSDGs採択の頃から、流れが変わってきたといいます。

「メーカーや小売店などからお菓子以外の食材の相談が増えたため、お菓子以外は断っていたのですが、取り組むべき課題だと思い、2018年に『たべるーぷ』を立ち上げました」。

まだ食べられるのに捨てられていく食品を救いたい

当初は加工食品のBtoBメインの取引を想定していたといいます。ところが「新聞やニュースなどで『日本の農家を救うサービス』として取り上げていただいたお陰で、一次生産者さんからお問い合わせが来るようになりました」。次第に関わる事業者や生産者が増え、扱う食材の範囲も広がり、現在は利用者の8割が一般消費者となって、事業も拡大しています。

 2022年には『たべるーぷ』初の実店舗を三宿に開店。きっかけは、悪天候などで大量に余る野菜などを一気に販売する仕組みを作りたかったから。さらにもう一つは、地方の生産者が東京のマルシェに出店するには、手数料や交通費など負担が大きいからだといいます。

「だったら僕らが人の集まる場所をつくり、生産者さんと同じ温度感で紹介すればいい」と考えたそうです。

 店頭にはモニターを設置し、生産者とZoomでつなぐLIVE接客も展開。漁師が海の上から登場するなど臨場感のある販売スタイルも実現しています。また、賞味期限切れ商品も丁寧に説明した上で安く販売しており、「消費期限」との違いを伝えることで、消費者の意識変革にもつなげ
ています。

一方で、無農薬や低農薬の野菜や果物などは、たとえシミがついているレモンであっても安売りはしません。「シミがついているのはワックスを使っていない、安全な証拠」と品質はお墨付き。物の良さを顧客に理解してもらった上で、適正価格で販売することで、生産者への還元も大切にしているのです。

賞味期限の近い加工品を安価で提供し、フェアトレードやオーガニック製品などは適正価格で販売する『たべるーぷ』は、佐治さんらスタッフの真摯な接客と相まって、何を買っても”地球にやさしいお店”として認知されつつあります。創業時からの常連客や地域との関係も深まり、過去5回開催した子ども食堂には多くのボランティアや食品の提供が集まり、いずれも好評を博しました。

また、現在では農家の方からシーズン前に声がかかることも増えたといい、生産者にとっても頼れる存在となっていることが伺えます。規格外でも丁寧に収穫された青森県下北郡産のいちごを使っていちごビールをつくるなど、商品開発に携わることもあるといい、その取り組みはさらに広がりを見せています。

 佐治さんは「将来的に『たべるーぷ』のようなサービスが不要になる社会が理想」と語ります。食品ロス削減と飢餓撲滅という大きなテーマはもちろん、より多くの人々を笑顔にする仕組みをつくるため、これからも『たべるーぷ』の挑戦は続きます。

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